936■■ 図書館で借りた一冊の本

b0125465_957315.jpg


二週間後に迫った東京でのある勉強会の為に久し振りに手元の資料に目を通し始めた。
図書館で集めた資料や論文のコピーはサイズも区区で、その整理には難儀をする。
書棚に立てておけるものはまだ良いが、大型の横版になると平置きする以外に上手い保管方法も思い浮かばない。
それぞれのコピーの右上には書名・出版年と蔵書図書館名を記した付箋を貼り、関連付けてのグループ分けもしているが、それらが縦に重なるとどうにも始末が悪い。
そんな資料を全てテーブルと床に広げ、改めて見直している。

ある目的を持って何度も読み返した学術論文もひとつの結果を得るに至った上で改めて読み直すと、その論考の構築のためにあった参考文献の中身を実際に確かめてみたくなってくる。
例えば、『※※史』によれば、日本で最初の鉄筋コンクリート造校舎は神戸市の須佐小学校、などという件に対して、それが実際その本の文脈の中ではどのように扱われ表記されているのか、筆者が次に知りたいその背景に必ずある筈の我が国の教育施設転換期の均衡した思潮への言及が見られるかも知れない、などと期待も膨らむ。

『※※史』について国立国会図書館のサーチエンジンでデータベースを検索してみると、国会図書館以外に3つの市立と15の県立図書館が所蔵していることが分かった。
そして、その内の一つに我が県立図書館の名前もあった。
その本は巡回車サービスにより市立図書館で受け取れたが、30分の距離を車を飛ばして県立図書館まで出向いた。

久し振りに訪れる県立図書館は改装を終え綺麗になっていた。
その図書館なくして今の筆者はないと言っても過言ではない、その図書館は筆者にとってそんな存在だった。
その図書館で初めて利用者カードを作り、初めて一冊の本を借りた。
それは筆者にとって、自分の起点との対話の場所から、その中で本と静かに対話する場所へと変わった瞬間だった...。

by finches | 2012-09-07 07:55 | 時間


<< 937■■ 海の見える城下町 935■■ 酢橘―九月 >>