959■■ 読売朝刊コラム
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読売朝刊の『編集手帳』に、「巧い」と唸った。

11月8日木曜日はこんな風に展開する。

お笑いの世界には、<出落ち>という業界用語があるらしい。(中略)◆「登場した直後に落ちを迎えること」だそうで、それ以降は盛り上がることがない。(中略)◆小泉内閣のあと、安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田…(中略)“出落ち内閣”がつづく。4年の任期を終えようとしてなお、熱気のなかで次の4年を国民から託されたオバマさんを見ていて、彼我の違いに気分がふさいだ。(中略)◆歌舞伎に由来する<屋台崩し>というオチがあるという。(中略)不誠実な「近いうち」発言で柱が1本倒れたと思ったら、「不認可」大臣の暴走でまた1本...◆<出落ち>のほうが、まだしも、である。


そして次に日、11月9日金曜日はこんな風に展開した。

(前略)石川啄木の歌に(筆者加筆)<気の変る人に仕へて/つくづくと/わが世がいやになりにけるかな>◆程度の差はあれ、気の変わる上司はどこにでもいるが、この役所にはかなうまい。「不認可」―「新基準を設けて再審査」―「現行基準のまま認可」。田中真紀子文部科学相が迷走させた3大学の新設問題は、ようやく落ち着くところに落ち着いた。(中略)◆少子化で学生は減り、大学の数は増えていく。「それでいいのか。認可基準を見直す方向は正しい」と、擁護する声もある。そうは思わない。車の運転で左折や右折をするときは、方向指示のランプを何十メートルも手前から点滅させるのがルールである。合図もなしにハンドルを切って事故を引き起こし、「方向としては正しかった」は通らない。(後略)

この先この国が衰退していくとすれば...、それは公共心と『恥』を捨てた企業人と、『principle(主義、信条、節操、道義)』を持たない政治屋と、そして...、物言わず群れる国民全てのせいだろう...。

by finches | 2012-11-10 08:10 | 信条


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