989■■ 庭の小径
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鬱陶しいばかりの梅雨の長雨も時に清々しい感動を与えてくれる。

土を割り土をモッコリと持ち上げる双葉の力強さ、名も知らぬ無数の野草の健気な生命力、一本また一本と其々のペースで蔓を伸ばし始める朝顔の堅実さ、何時そんなに大きな実をつけたのか胡瓜の不思議、透明なカプセルの中に色の宇宙を宿すトマトの神秘さ、朝霧にシルエットを現す蜘蛛糸の妖艶さ、まだまだ言い尽くせないくらい無数の感動がある。


雨に濡れた庭の小径も日に何度も心に感動を与えてくれる。

自然摘果の柿や酢橙の青い小さな実が散らばっていたり、シダが突然勢いよく生長を始めたり、島の竹箸工房を訪ねた時に分けてもらったトクサから小さな芽が伸びているのに気付いたり、柿の二葉がそこら中から顔を出していたり、水鉢の中に生まれたばかりの子メダカが泳いでいるのを発見したり、番いの雉鳩が向こうから歩いて来たり、これまた数え上げれば切りがない。

不要なものの置き場、薄暗くてジメジメとしていて、決して近付きたくなかった場所、それがこの小径の辺りだった。
その場所が、今では静かな癒しの空間に変わった。
鬱陶しいばかりの梅雨の長雨も、この小径にはよく似合う。
梅雨明けももう間近、次は朝夕の水打ちだ...。

by finches | 2013-07-08 06:40 | 季節


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