990■■ 初蝉鳴く

b0125465_8492398.jpg


今年はまだ蝉の鳴き声が聞こえてこないと思っていたら、きのう日が落ちてヤマモモの木の方角に蝉らしき一声を聞いた。
実はその前兆はきのうの朝あって、庭の小径の石ころにじっとしている一匹のアブラゼミと出合った。
みかんの枝にそっと置いてやると、まだ羽が開ききっていない蝉は、ジージーと鳴きながら草むらに飛んで(落ちて)行った。

今朝も小径の小椅子の脚に蝉がとまっているのを見付け、そっとみかんの枝に置いてやった。
開ききっていない羽はきのうと同じで、この蝉は飛ぶことができないのかも知れないと思った。
飛べない蝉は、きっと鳴くこともできないのだろうと思った。

今、蝉の鳴き声が聞こえている。
だが、一匹の蝉の鳴き声はまだ単調で、本来の鳴き声とは程遠い。
それを聞きながら、蝉というものは二匹以上が競演することで初音の調整ができるのだと分かった。

今、蝉の鳴き声は聞こえない。
だが、木々の枝々には無数の蝉が初音の準備を既に整えていて、リーダーテノールの一声を待っている筈だ。
そして、その瞬間大合唱が始まるに違いない...。

by finches | 2013-07-13 07:49 | 季節


<< 991■■ 糠床 989■■ 庭の小径 >>