993■■ 眠り蝉
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蕗の葉と酢橙にたくさんの蝉の脱け殻が残されている。
蕗の葉だと地上に出てからの距離は50センチくらい、酢橙だと2メートルくらいになる。

前者の場合、地上に出た蝉の幼虫は羽化をすべく手直にあった蕗を選んだことになる。
後者は、同じく地上に出た幼虫はわざわざ離れた場所に立つ酢橙の木をその場所に選んだことになる。

酢橙の木に残る脱け殻の数の方が断然勝ることから、蕗の葉を選んだ方は本来の蝉道からは邪道なのだと思う。
まだ体の柔らかい幼虫が外敵を逃れ羽化を果たす確率、無事に羽化を終えてもまだ柔らかくフニャフニャの羽根を伸ばし飛べるようになるまでの危険、地上に落ちることなく確実に飛翔できる可能性、それらをして蝉の幼虫は程よい高さの灌木を選ぶのだろう。

早朝、無事に成虫となったクマゼミを酢橙の枝に見つけた。
手を近づけても微動だにしない。
しかし、数時間後に再び手を近づけると、今度は一声を残して飛び去った。

前者は、体温が上がらず動けずにいたクマゼミだったのだろう。
後者は、日が射し始め気温の上昇がクマゼミの体温を徐々に上げ、危険から逃避し得たその瞬間だったのだろう。

いつものことだが、自然は多くのことを考えさせはするが、最後にはきちんとその訳を教えてくれる...。

by finches | 2013-08-04 14:56 | 季節


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