995■■ 秋分の朝顔
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初めて経験するこの夏の暑さ、それは酢橙の枝につけた温度計の水銀柱を38度まで上げた。
その暑さのために新しく植えた草木も随分と枯れた。
たとえそれをまぬがれても、葉焼けした草木は弱々しくしな垂れ、その暑さが過ぎるのをただただじっと待っているように思えた。

初めて経験するこの夏の雨、それは獣のように恐ろしい雄叫びを上げて叩きつけ、草木も大地もそして人もその余りさにおののき、それが過ぎるのをただただじっと待った。
真夏日ということばが生まれて久しい。
そのことばと足並みを揃えるように、優しかった日本の夏の雨は南の国のスコールに変わった。
そして猛暑日ということばが生まれ、更に「これまでに経験したことがない」ということばが冠せられ、雨もスコールからとうとう音からまるで違う恐ろしささえ感じる雨に変わった。

夏に向けてヘブンリーブルーの種を幾十と蒔いた。
そのうち何割かが無事に芽を出し、それを何箇所かに分けて植え替えた。
そのうちまた何割かが無事に育った。

蔓を伸ばし始めた朝顔のために棕櫚縄を張った。
蔓は竹垣をはい、屋根まで上がり、柿の木のてっぺんまで伸びた。
だが花を咲かせることなく 暑過ぎる夏は過ぎた。

秋の彼岸を前にして突然ヘブンリーブルーは真っ青な花をつけ始めた。
竹垣、トマトの竹棚、屋根、柿の木のてっぺん、とにかくそこら中で。

今朝も何十もの真っ青な花が風に揺れている。
秋分、朝顔はまだ明け遣らぬ闇の中でその美しい青い花を開いたのだろう...。

by finches | 2013-09-28 06:55 | 季節


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