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985■■ まずめのシャワー
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まずめとは日の出と日没の前後をいい、それぞれ朝まずめ,夕まずめというが、この時刻は魚が餌を良く食うとされている。
だから、釣りに行く時はまだ夜も明けやらぬ暗いうちに家を出るのが常となる。

汲み置きしてカルキを抜いた水をメダカの水鉢に補給するのを日課にしているが、そのやり方を数日前に変えた。
それまでは陶器のボールでそれを行っていたが、流れ込む水の勢いで水は掻き回されて濁り、それが収まってみてもなかなか水の汚れが取れていないことに不満があった。

新しいやり方はブリキのじょうろに汲み置きした水を移して補給するというものだ。
これだと表面に浮いた汚れをオーバーフローする水と共に流し出し、メダカたちはこのシャワーを甚く歓ぶし、周囲もまるで打ち水でもしたように程良く濡れて、その様が何とも瑞々しく清々しい。

このシャワーを朝まずめと夕まずめの頃に行うことにしたのだ。
一頻りそのシャワーと戯れた後に食餌なのだから、メダカが悦ばないはずがない。

そして、これが人にとってみても、一日の始まりと終わりの切り替えと共に、減り張りにもなるから心身にいい。
朝まずめ,夕まずめは釣りを始めて知ったことばだった。
だが、今それらは暮らしの中で、生きたことばに変わった...。

by finches | 2013-05-17 06:45 | 時間
984■■ 障子と夕日
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どこでもいい、急に古い建物を見たくなった。
西に行こうが北に行こうが東に行こうが、南以外そこには歴史の面影を残す城下町がある。
だが、その日は以前に外からの家の構えに興味を抱いた、ある作家の生家を訪ねたいと思った。

到着するや玄関先の椅子に座って途中で買い求めたお萩と粟もちを、少し高台にあるその生家から山々と小川と田んぼを見下ろしながらいただいた。
田植えの終わった田んぼは、百匹近い野生の猿に荒らされて去年は田植をしなかったという話を聞いた。

また去年の小川の蛍はすごかったそうで、まるでその上を歩けそうなくらいの乱舞が見られたという。
護岸工事がされる前の小川はさぞ美しかったろうと尋ねると、それはそれは美しかったそうで、そのかつての情景を聞きながら、筆者の記憶の中にある,ある小川の護岸工事前と後の姿と重ね合わせた。

一人になると座敷に座りそこからの景色を飽きることなく眺めた。
燕が入って来るからと言いながら開けてくれた障子は両側に引き分けられていたが、それが四本引きの障子であることに気付いた。
四本引きとは障子の溝が4本切ってあるもので、全開すると障子3枚分の開口が得られる。

その様をどうしても伝えたくて写真1枚という方針を今朝は曲げて、2枚の写真を掲載した。
引き分けた2/4の開口と、片側に引き寄せた3/4の開口の開放感の違いはこれ程ある。

冬、山に日が落ちる頃、夕日が二つの座敷の奥まで明るく照らすそうだ。
山に沈むその美しい夕日を、座敷の奥から思い描いた...。


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by finches | 2013-05-14 06:33 | 空間
983■■ 雉鳩と蓮華

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これまでこの硬く締まった土には草も生えなかった。
そんな硬い土に穴を掘っては野菜屑や木の葉を埋め、自家製の発酵液を散布しては土着微生物の活性化を促しポジティブに土づくりに参加してもらおう、そこに生える草はそのままの状態を保持することで土の温度は下がり根は土をふかふかにしてくれる、そんなイメージを頭に描きながらこの一年その硬い土と格闘してきた。

去年の秋の終わりにその硬い土に蓮華の種を撒いた。
白いタンポポや芙蓉の種も撒いた。
春か来たらその硬い土を可憐な蓮華の花が覆う様を思い描いた。

硬かった土は柿の木の周りからだんだん柔らかい土に変わり、まだ硬い土の部分からも小さな草が少しづつだが顔を出してきた。
蓮華は咲いた、だがその硬い土に根を伸ばすことはできないようで小さな体に小さな花をつけた。

雉鳩はそんな手塩に掛けた土の上を歩いてやってくる...。

by finches | 2013-05-11 08:06 | 季節