003■■ 花見
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江戸時代に書かれた 「料理早指南」 には花見の重詰の作り方が記されているそうだ。
上中下ある重詰料理のなかで、上の部は次のようであったらしい。
一の重は、かすてら玉子、わたかまぼこ、若鮎色付焼、むつの子、早竹の子旨煮、早わらび、打ぎんなん、長ひじき、春がすみ
二の重は、蒸かれい、桜鯛、干大根、甘露梅
三の重は、平目とサヨリの刺身
四の重は、小倉野きんとん、紅梅餅、椿餅、薄皮餅、かるかん
割籠は、焼むすび、よめな、つくし、かや小口の浸物
これが下の部になったところでその豪華さは想像できるところだ。

一方、落語 「長屋の花見」 にある貧乏花見もある。
長屋の連中が大家さんに呼び出され、毎度の店賃の催促かとおそるおそる行って見ると、みんなで揃って花見に行こうという話。
酒は番茶を薄めたもの、蒲鉾は大根、玉子焼きはタクアン、もうせんの代わりにむしろ...。

今日満開の桜見に料理とワインを両手にでかけた。
その手料理は世知辛い今の世にあって、江戸の花見を想像させた...。

by finches | 2009-04-05 10:38 | 嗜好


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