006■■ Baloon
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かなり前の写真になるが気球に乗せてもらった時のものだ。
早朝まだ暗いうちに集まり先ず出発の準備から手伝った。
球皮、バスケット、バーナー、インフレーター、プロパンボンベを車に積み込んだ。
気球を朝の安定した気流の中で飛ばすため目指すフライトエリアに急いだ。
着いた所は朝靄の中見渡す限りカヤが生い茂る場所だった。
バスケットから球皮を出しそれを広げていく。
これはキャンプの時にテントを張る準備と似ている。
そしてバーナーで熱した空気をインフレーターというエンジン扇風機で球皮の中へと送り込んでいく。
これはゴムボートに空気を入れる時と似ている。
いくら頑張って空気を吹き込んでも一向に膨らまない、あれだ。
そのうち熱した空気を吸い込み、その浮力に逆らえなくなり重力を捨てた球皮は上へと立ち上がり始める。
そして更に増した浮力を利用して横になっていたバスケット全体を立てる。

球皮は気球へと変わりアンカーロープを放すと静かに上がっていく。
そこにはバーナーの音だけがあった。
風になるとはまさにこのことを言うんだと思った。
高所恐怖症なのに、ちっとも恐くない。
地上から浮いていながら地球とへその緒で繋がっているような安堵感があった。
スケール感があった。

眼下には渡良瀬遊水地が広がっていた。
この地は政府が公表した洪水対策のための遊水池などではない...。
足尾鉱毒事件による鉱毒を沈殿させ無害化する目的でつくられた遊水池だということを知る人は少ないだろう...。

by finches | 2009-04-08 08:04 | 記憶


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