050■■ 函館遺愛幼稚園
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古いものは使い難い
古いものは汚い
古いものは設備も古い
古いものを使わなければならない子供は可哀相
...古いものをこう考える人がいる。

古いものには歴史がある
古いものには伝統がある
古いものには哀愁がある
古いものには重厚さがある
古いものは温もりがある
古いものは不思議さがある
古いものは魅力がある
古いものは確かな仕事がある
古いものには教えられるものがある
古いものには新しいものにないものがある
...古いものをこう考える人もいる。

函館の元町に遺愛幼稚園という木造の古い幼稚園がある。
この幼稚園に建て替えの話が持ち上がった時、父母たちはこの古い建物だからこそ、ここに子供たちを通わせているのだと言って建て替えに反対した。
この幼稚園で、木の廊下の下地が腐り下がった時、床を剥がして新しい下地に換え、元の木の廊下に戻した。

これは古いものが持つ力だ。
では何故古いものには力があるのか。
それはきちんとつくられた古いものには誤魔化しがなく、本物であるからだ。
弥生小学校の基本設計図面で、現市長が再利用を約束した古い木の廊下の木材が、ほとんど使われていないことが分かった。
使われるのはほんの一部で、ほとんどが新建材のフローリングに化けていた。

函館を離れそろそろ空港からのバスが終点のホテルに着くが、ちょうどこの記事も書き終われそうだ。
今回の函館で過ごした数日は全て◎だった。

写真は遺愛幼稚園の室内遊具だが、やはり 「古いもの」 には新しいものにないものがある...。

by finches | 2009-06-05 23:58 | 記憶


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