245■■ 心象風景の中の橋
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実家に帰省すると訪れる場所がいくつかあります。
それは変わらない海、人通りがなくなりシャッターを下ろし死んでしまった商店街のアーケード、白鳥と黒鳥と鯉のいる湖、そしてこの写真の場所などがあります。
取分け海と川の景色とそこで過ごした時間は心象風景の両極にあり、それに季節ごとに美しく変化する里山の記憶を加えたものが、今の自分の根っ子の部分を形づくっているような気がします。
しかし、それらの場所を訪れるのは決して懐かしさや感傷的な気持ちからではなく、どちらかと言えば自分をリセットさせる為の本能的な行動であるように思います。

橋好きの今の自分に最初に橋という存在を焼き付けたのがこの写真の橋です。
この橋の下で泳ぎ魚を捕り、大人は鮒や鰻を捕る為の仕掛けを川底に沈めていました。また、この橋の数キロ上流にはダムがあり、大雨が降りいざ放流が始まるとこの橋のちょっと下まで川は増水し、土色の濁流が恐ろしい勢いで流れていたのを鮮明に覚えています。
この橋の完成は昭和14年(1939)で、今正に調べ歩いている東京の震災復興橋梁などと同じ時代に架橋されたものというのも不思議な因縁だと感じています。
そのように橋を見てみると、意外とこの時期に架けられたものが多いことが分かります。

余り書き進むと懐古的だと言われかねないのでこのへんにしますが、次回から我が故郷に架かるこの時代の橋を取り上げてみたいと思います...。

by finches | 2010-01-08 07:51 | 時間


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