日経新聞に月に一度THE NIKKEI MAGAZINEが入って来る。 時々興味を惹かれる特集記事があると丸ごと保存しているが、昨日(日曜日)の朝刊と共に届けられた3月号に「東京の復興小学校 地域と生きる校舎」という記事が掲載されていた。 その記事は、現役の小学校として使われている3校(九段、明石、明化小学校)、用途を変えてはいるがそのまま使われている1校(十思小学校)、復興小学校ではないが同じ基準でつくられた3校(永田町、広尾、四谷第五小学校)を例に挙げ、的確な取材を基に書かれていた。 中央区に残る復興小学校の内の3校(明石、明正、旧名・鉄砲洲小学校)で昨年、突如として校舎建て替えの話が寝耳に水の如く浮上し、今現在その計画の一番手であり知名度も高い明石小学校では校舎の保存を訴える運動も起きている。 考え方は異なるが二つのグループによって集められた署名は夫々区に提出され、勉強会や写真展なども行われている。 ところで、この手の記事は記者の視点の高い低いで全く違った印象に仕上がることを筆者も経験しているが、主眼を対象となる建物に置くか、保存運動に置くか、計画を推進する教育委員会などに置くかで随分と違ったものになってくる。 当然客観的に総括をした上で記事にする為にはこれらを押し並べて平等に取材することが大切だが、それらを纏める段階で記者の視点の高い低いが大きな差となって現れ、最終的には客観的であるべき内容が書き手の主観で味付けされることも否めない事実として見て来た。 その点、この日経新聞の日経マガジンのように、別紙の文化欄を持っているとこのような記事を扱い易くなる。 建前だけの社会性を大上段に掲げなくても済む分、最後まで筋の通った客観的な記事作りを貫くことができる。 その点に於いてこの記事には可もなく不可もないが、はっきりと焦点を見据えて書かれているところに好感を持てた。 もしこの日経マガジンを読む機会があれば、最終ページに小さく書かれた編集部からの後書きも読み落としなく...。
by finches
| 2010-03-22 07:07
| 復興
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