371■■ 風と鐘の音

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前稿は函館の遺愛幼稚園の東窓から見たハリストス正教会だったが、今朝の写真は同じ幼稚園の北窓からの景色だ。
手前の赤い屋根がカトリック元町教会、右後ろの黒い屋根が東本願寺函館別院、前項のハリストス正教会はこのカトリック元町教会と道路を挟んで面している。

また、カトリック元町教会と東本願寺函館別院の間にある大三坂は、カトリック元町教会とハリストス正教会の間の道までで終わり、それから上は道幅も狭くなりチャチャ登りと呼ばれるもっと急な坂に変わる。
そして、このチャチャ登りを挟んで聖ヨハネ教会がハリストス正教会と面して建っている。

チャチャ登りを更に登ると函館の街を見下ろすことができる隠れスポットへと繋がる一本の道に突き当たり、その上は鬱蒼と若葉に覆われた函館山、その更に上には青い空と白い雲があるだけだ。
この季節、これらの縦横に交差する道や坂を爽やかな風がわたり、教会の鐘の音が坂を登って来る。

ハリストス正教会はもう直ぐ花で溢れる季節を迎え、そんな初夏にかけての時期もいいが、秋や雪の積もった冬はその白い漆喰の外壁を背景にしてまた違う趣がある。
一方、カトリック元町教会の赤い屋根は石塀で紅葉した蔦の色とよく合い、こちらは秋のイメージの方が強い。
まあそんなことはさて置き、ゆっくりと歩いてみるとそれぞれの場所に芽吹いている小さな季節があることに気付くだろうし、そこにはこの短い季節を精一杯謳歌するかのような無数の小さな宇宙がある...。

by finches | 2010-05-19 04:03 | 時間


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