376■■ 霞草

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母が霞草が好きで庭の片隅に植えていることを最近になって知った。
そう言えば筆者もこの花がいつも添え物としての脇役に甘んじていることに不満を抱いていた。
それこそ、この花だけを買いたい、この花だけを花瓶に挿したいと思ったことも度々あったが、花屋にとってはあくまで高値で売れる花の添え物、おまけとして扱われていた。

霞草(カスミソウ)とは小花が多数集まり霞のように見えることから名付けられたようで、確かにその咲いている姿を見るとそんな風にも見える。
この花も草(一年草)ではなく木であったなら扱いも随分と違ったものになっていたのではないだろうか。
小手毬(コデマリ)の花も小さいし、満天星躑躅(ドウダンツツジ)もまた然りで、もしもこの花も木に生まれ霞某(なにがし)という名であったならもっと違った運命が待っていたことだろうと思う。

霞草が咲いているのを見るのは初めてのような気がする。
名前は綺麗だが筆者には霞と言う寝惚けたものより、恒星の光を反射して輝く星雲のように見えた。
星雲はその一個一個が星であり、そしてその一個一個が輝いている、それは正にこの小さな花が空中に軽く浮かんで白く輝く様と同じに思えた...。

by finches | 2010-05-24 04:30 | 記憶


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