421■■ れんげ畑

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今朝は休稿するつもりだった。
それは朝の時間を仕事のために使うか拙稿のために使うかということだが、今朝は仕事のためにその時間を当てるつもりで昨夜は眠りについた。
雨音で目が覚めると布団に胡坐をかき、早速アイデアのスケッチを開始した。
もう何十回と繰り返しているのだが、堂々巡りで一向に納得いく結論が導き出せない。

一体何を悩んでいるのか。
洗面所とトイレの間の壁と天井の間をガラスで塞がず開けておくかということで悩んでいる。
考えている内に在り来たりだが、障子を両側から貼って中に照明を入れたいと思うようになった。
紙をどう貼るか、中の灯りで障子の桟が浮き出てしまう、桟を無くすことは出来ないか、和紙ならどうだろうか、和紙ならどのくらいの厚さのものを使おうか、その端をどう納めるか、などなど次々に問題が出てくる。

桟を入れずに和紙が貼れるか。
紙を取り出して折れ目を入れてみる、折れ目を入れることで補強になり確かに強度は増す、だが面白くない、この方法では駄目だ。
その内、手持ちの和紙があったことを思い出し引っ張り出した。
丸めた和紙を開くとこれまでに集めた数種類の和紙と、それに描いた絵が出てきた。
こんな絵を描いたことは覚えていたが、それを何処に仕舞ったのかは忘れていた。

ガラスを入れるなら透明より和紙入りガラスが良いと思っていた。
ガラスを入れずにオープンにするのも天井が繋がって開放感があると思った。
和風にならずに障子という紙の素材をどう使うかを考えた。
最後に強度と風合いから手漉きの和紙を使いたいと考えた。
しかし、オープンにする以外はどれもそれらをどう固定するかを考え続けてきた。

和紙に描いた絵を見て、別のアイデアが生まれた。
和紙に自ら絵を描いてそれを留めよう、貼るのではなく留めるのならそのディテールの考え方はまるで変わる。
絵を留めるための細いフレームだけがあれば良い、中に桟も要らない。

忘れていた一枚のれんげの花の絵で、一向に結論に至らなかったことに一気に光明が射してきた。
そして、この絵を描いた時のことを思い出した。
一面に咲いたれんげ畑の中に新聞紙を広げ、そこに胡坐をかいて描いたことを...。

注記: 上の絵の幅は大体40センチ、和紙は縦65センチ、横95センチくらい。

by finches | 2010-07-14 07:09 | 空間


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