467■■ 蝉-九月

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ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシ、クマゼミ、ヒグラシ、これらが筆者の知っている蝉たちだ。
この中でこの夏採ったものと言えばアブラゼミとクマゼミとヒグラシだが、別に大人の筆者が蝉取り網を持って走り回った訳ではない。

子供の頃は蝉採りと言えばミンミンゼミとアブラゼミが主流で、ツクツクホウシとクマゼミは鳴き声はすれどなかなか採るのが難しく、ヒグラシに至っては鳴き声を聞いたこともましてや見たこともなかった。

子供の頃の昆虫採集ではもっぱら羽の透明な蝉を狙った。
ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシ、クマゼミ、ヒグラシのうちアブラゼミだけが羽に色がついていて、その他の蝉の羽はみんな透明な訳だから、寧ろ色のついたものの方が希少に思えるが、当時はアブラゼミとミンミンゼミばかりで、その他の蝉は数が少なかったせいもあって、その透明な羽を持つ大きな蝉が垂涎の的だった。
但し、同じ透明な羽を持ってはいてもミンミンゼミは体が小さい為に、ツクツクホウシやクマゼミに比べると全くの格下で、採っても余り嬉しくなかったように思う。

そのミンミンゼミも鳴き声を聞かなくなって久しい。
アブラゼミもめっきり数が減って、最近では「ワーシワシワシ」と鳴くクマゼミが目立つようになった。
これは近年の温暖化の影響もあるらしいが、蝉の分布や盛衰を通して身近な環境変化を実感するこの頃だ。

ところで、蝉の季語は夏だが、「カナカナ、カナカナ」と美しく鳴くヒグラシと、「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ」となくツクツクホウシの季語は秋となる。
クマゼミが鳴かなくなったと思っていたら、夏の終わりを象徴するツクツクホウシの鳴き声がやっと聞こえてきた。
子供の頃はこのツクツクホウシこそが狙いの的だったが、今でもその希少性は変わらないように思う。

夜は秋の虫たちの音色の世界に変わった。
ツクツクホウシの鳴き声に改めて夏の終わりを実感したいつもの昼下がりだった...。

by finches | 2010-09-10 06:14 | 記憶


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