「講堂-最後の夏」の小学校と同じ名前がこの川にはついている。 「白壁の町並み」の居蔵造りの町並みはこの川の直ぐ近くに残っている。 かつて写真右奥に写る味噌・醤油蔵の辺りはもう海で、この石灯台はその河口に建てられたものだろう。 石灯台と言えば鞆ノ浦のものが有名だが、隅田川の墨提にも石灯台は残っていたりする。 鞆ノ浦のものは江戸時代後期に造られたものだが、その頃は廻船業が最盛期を迎え諸港で船の安全の為にこれらの石灯台が造れらたことが窺える。 この日この町の歴史を紐解く歴史講演会が始まるまで、いつもの好奇心から町を散策していると、数羽の鴨が川面を泳いでいるのに気付き、この石灯台の石段に座って飽きもせずその姿に見入った。 別にそこに鴨がいても何の不思議もなかったが、なぜかその光景が不思議に思えてならなかったからだ。 講演会が終わり会場となった旧家に常設されている一枚のパネルで町の名の謂れを知った。 それはこの辺りの海辺の洲にはトモエガモがたくさんいて、その俗名がこの町の名の由来で、川にいた鴨は地域の人々が放って守り育てているアイガモだったことが分かった。 道理で川に放たれている錦鯉のように、あの鴨たちもそこにいるのが然も当たり前のように見えた筈だと納得した。 木造の講堂、白壁の町並み、そして石灯台、各々を点として見ていた考えていたことが、実は時間と空間軸の中で連鎖していることに気付いた。 撮り溜めた写真を反芻するように見直すことで、思わぬ連鎖の糸に気付くこともあると知った朝だった...。
by finches
| 2010-10-16 06:38
| 時間
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