521■■ 季節を飾る

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ぱちんこは相変わらず的に当らない。
狙ったヒヨドリに当る必要はないが、せめてその近くに着弾してヒヨドリを驚かせ、ここの柿はメジロは食べても良いが自分は食べてはいけないのだと気付かせたい。
問題はぱちんこのゴムの長さにあるとその構造上の問題は分かっているのだが、有り合せの材料で作ったのだからゴムのせいにもできない。
その上、枝を切って作った弾はどうも空力的に形が悪く、やはり球に近いものの方が安定して飛ぶはずだと気が付いた。

さて、枝弾に対して柿の種弾はその性能に於いて格段に勝っていたが、柿一個を食べてもそこから取れる種はせいぜい四個程度だし、その為に柿を食べていたらメジロより先に柿を食べ尽くすことになる。
しからばと小春日和の日曜の午後、弾となる木の実を探しに出掛けた。

先ずは筆者の好きな小さな岬の先でドングリを拾い集めた。
何だか知らないが黄色い実やツバキの実もカメラバックのポケットに放り込んだ。
次にこれまた筆者の好きな神社へと回り、その参道や境内でドングリやらシイやら何だか知らない茶色の実やらを拾い集めた。

相変わらず的には当らないが、弾としての性能は随分と改善された。
だが、弾として拾い集めた木の実もこうして器に入れてみると、何だかこの季節の飾りとして眺めていたいと思ってくる。
そんな気持ちに思わず気付き周りを見ると、ある、ある、ある。
枝弾、柿の種弾、木の実をはじめ、テーブルには柿の葉が四枚、一輪挿しには枯れたススキの穂が二本、部屋の隅には藁が十二束、そして、杉、檜、栗、桐の板などなど。
そして、それらをメラメラと燃えるストーブの灯りが柔らかく照らしていた...。

by finches | 2010-11-16 06:49 | 空間


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