和紙は好きで気に入ったものに出合うと一先ず買っておく。 それは名刺であったり、葉書であったり、小判であったり、大判であったり、大きさも厚さも形状もまちまちだ。 漉き方もこれが色々あって、その風合がまた良いのだが、空中に浮かびそうな薄いのもあれば、薄い煎餅のように分厚いのもある。 写真の和紙の名刺も古いものは15年くらい前のものだ。 まだ使わずにあるのは、活版印刷をしてくれる印刷屋が見つからなかったからだ。 新橋か神田辺りに目星をつけて探してみたが、手間のかかる活版印刷をやる店など何処にも残ってはいなかった。 不思議なもので15年経った今は、逆に古き良きものの価値が見直されたのか、名刺を活版印刷してくれる店を見つけることができる。 だが、今度は逆に筆者の方が名刺に余り価値を置かなくなってしまった。 以前は名刺の原稿を印刷屋に持ち込み、寸分違わず印刷することを求めたものだが、その印刷屋が店を閉めてからは名刺は自分で印刷するようになった。 そして、今は名刺を名刺という既成の概念から解放してやった。 筆者はそれを調べたことを書き残すカードとして使っている。 中学生の時に作ったあの暗記カードのようなものだ。 流石に和紙の名刺をそれに使うのはもったいなくて憚られたが、和紙だと着色ができて面白いかも知れない。 既成という箍を外してやると、工夫次第で無駄なものは一つとしてない。 もったいない、この言葉はアフリカのおばさんのオハコにされてしまったが、もったいない、これは我ら日本人の美徳であることを忘れまい...。
by finches
| 2012-02-15 04:38
| 無題
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