流石に国の木と言うだけあって、サクラの木の多いことに今更ながら気付き驚かされる。 隣家のサクラは毎日のようにその開花の具合を見ているし、最近は一日おきに神社のサクラの偵察にも出掛ける。 満開の桜だけを見ていては気付かないことが随分とある。 枝からほんの少し小さな突起が出るのはまだ寒い冬の間だ。 それはゆっくりと大きさを増すがある大きさまでになると、その小さくて硬そうな突起のままじっと春を待つ。 暦の上で春を迎えてもその小さく硬い突起は慎重に外の様子を窺っているようにまるで変化がない。 だが、確実にその突起は膨らんで来ていて、気が付くと枝全体が今にもはちきれんばかりに膨らんだ、突起改め花の芽に覆われている。 この小さな芽の中には二つから四つの蕾が納まっていて、その芽のカプセルが開くや否や中からこの蕾が押し出されて来る。 この蕾が濃い桜色で球形をしているものだから、枝先は腫れたように丸く色付いて見える。 これが「山笑う」の状態だ。 カプセルから押し出された蕾が開くメカニズムがこれまた面白い。 面白いと言うより神秘的だ。 小さな丸い蕾は桜蕊(しべ)がどんどん伸びてカプセルから押し出され、やがて開いていく。 一つの花芽から二つ、三つ、四つ、と細い蕊の先に花が開くものだから、枝ごとに夢幻の変化に富み軽やかにまるで浮かんでいるように見える。 今年の花見はどこでしようかと悩ましい。 だが、間違いなく日曜日に決まりだろう...。
by finches
| 2012-04-05 05:31
| 季節
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