今朝も目を覚ますと、激しい雨音と音のしない稲光りとが眠っている間の外の様子を暗示するかのように思えた。 部屋に灯りを点けカーテンを開け激しい雨の滴が伝うガラス越しに外の様子を見ると、煉瓦で造った件の排水溝には濁った水が勢いよく流れ込んでいた。 玄関から外に出ると、そこは長靴を履かなければ歩けない程の濁った水の海で、離れはまるで秀吉の備中高松城の水攻めの様を呈していた。 気象庁はこの雨を「これまでに経験したことのないような大雨」と表現した。 かつて同庁が新造した「戻り梅雨」という表現には苦笑したことがあるが、この度のこの表現は感情移入の入った文章構成になっている分、状況が素直に伝わる的確な表現だと感心した。 だが、九州ではこの「これまでに経験したことのないような大雨」の為に未曾有の災害が起きている。 その大雨を大地震だとすればその後に襲う洪水や土石流は大津波と重なる。 土石流を山津波と呼ぶのも先人たちの時代にもきっとあったのであろう、「これまでに経験したことのないような大雨」による自然の畏怖を、「山津波」と呼んで後世に言い伝えて来たのではないかと思う。 地球が生き物であり人間がその上で暮らさねばならない限り、いつ襲い来るか分からない天変地異をも受容するしかないだろう。 それが今か先の時代なのか、自国か他国でか、我か他者へか、それらは誰にも分からない。 だが、いつ、どこで、だれに、それが起きても受け留めて来たのが人間の歴史ではなかったろうか。 自然を畏怖し自然を畏敬することを忘れるな、このところそんな鉄槌を自然が下しているように思えてならない...。
by finches
| 2012-07-14 05:40
| 無題
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