突然湯たんぽを使ってみたくなった。 そこで、当然昔ながらのブリキの湯たんぽを探した。 毎朝、温泉から汲んで来た水で顔を洗っているが、ここにきて流石に冷たい。 その冷たさがシャキッとして気持ちのいいところもあるが、これからますます冷たくなると思うと、と考えるところもあった。 湯たんぽを使ってみようと思ったのは、温泉のお湯を湯たんぽに入れて眠り、朝はぬるくなったそのお湯で顔を洗ったら最高だろうと思ったからだ。 昨夜は湯たんぽ使用開始二日目、布団は温かいし、朝の洗顔も何とも気持ちがいい。 使用開始一日目の湯たんぽ係は家人が務めた。 3.6リットルの容量いっぱいに湯を入れるために計量し、それを2回に分けて沸かしていた。 使用開始二日目の湯たんぽ係は筆者が務めた。 計量は600mlのペットボトルで6回、薬缶は庭のガラステーブルの横にオブジェとして置いていた銅製の大薬缶を使い1回で沸かした。 この銅製の大薬缶、函館の名刹高龍寺の什器をご縁があっていただいたものだ。 一年余り何もせずに放置していた薬缶の中には雨水が溜まっていたが流石に銅の力は凄い、溜まり水は腐ることも汚れることも藻が付くこともなく、軽く洗っただけで直ぐに本来の薬缶としての機能を発揮した。 温泉の水はこの地方の名泉の中でもずば抜けた泉質だと筆者は思っている。 そのお湯を湯たんぽの中で一晩寝かせたことで、洗顔のお湯は一段と円やかさを増し、銅製の薬缶が確信こそないが何らかのプラス効果を付加しているように感じられた。 考えてみれば湯たんぽは昔の人が考え出したエコ商品だ。 お湯は暖を取るためのストーブの上に置いておくだけで沸いてくる。 そのお湯を無駄なく使う生活、それは正に循環型のライフスタイルと言えるだろう。 昔の人が普通に使っていたものが今一番使いやすい。 そこには足すことも引くことも必要としない淘汰された完成形がある...。
by finches
| 2012-12-02 08:36
| 持続
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