988■■ 東京

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昨日、台風が温帯性高気圧に変わったことで、東京以西は随分と気温が上がったようだ。
一方、東京は久方振りに梅雨に舞い戻ったように、終日小雨が降り続いたが、その酷暑からは解放された。

今朝、外を見ると一つ二つと傘の華が、クルクルと回るように、スーっと滑るように、同じ方向に移動していた。
そこで、朝の散策と外での朝食は取り止め、ゆっくりと部屋で過ごした。

雨は止んだ。
散策を兼ね、ゆっくりと八重洲に向けて歩いた。

途中、遅目の朝食をとった。
老舗の心地よいサービスと苦めのコーヒーが、一日の始動の力をくれた...。

# by finches | 2013-06-14 10:24 | 無題
987■■ 東京

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久し振りの東京、なのに生憎の雨。
傘なしでも済みそうなくらいの弱い雨で、フランス人ならこんなの雨のうちに入らないだろう。

東京は中継地だが、今日一日と明日半日時間を取ってある。
大半の荷物は最終到着地に送ってあるとは言えども、細々したものもそれなりに集まると重い。
まして雨。

予定は大幅に狂う。
何より楽しみにしていた街の探訪ができない。

雨宿りにはいささか大き過ぎる空間だが、しばし雨宿り。
これを書いたらホテルに荷物を預け本屋にでも行こう。
どさっと買って送ろう。

コンサート開始は夕方。
風邪など絶対にひけない...。

# by finches | 2013-06-13 11:28 | 空間
986■■ 朝顔

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梅雨の合間に朝顔の種を蒔いた。
翌日は再び鬱陶しい梅雨空に戻り、二日間降り続いた。
フカフカの土に僅か1センチの深さに植えられた種はそんな雨に打たれたら一溜まりもない。
そこで、覆いを掛けてやった。

再び梅雨の晴れ間が訪れ覆いを外すと朝顔は一斉に小さな芽を出していた。
色は薄いベージュで、もともとそんな色なのか、覆いを掛けられ日の当らないモヤシ状態で発芽したせいなのか、兎に角そんなひねた色をしていた。

もっとよく日の当たる場所にポットを移してやった。
日の光を浴びて一日で随分と大きくなったが、色はまだ薄いベージュだった。
だが、今朝見るとその葉が薄緑に変わっていた。
きっと、夜の間に日を浴びてできた葉緑素で色が置き変わったのだろう。

ヘブンリーブルー、大きく育って青い花を咲かせてくれ...。

# by finches | 2013-06-04 06:35 | 季節
985■■ まずめのシャワー
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まずめとは日の出と日没の前後をいい、それぞれ朝まずめ,夕まずめというが、この時刻は魚が餌を良く食うとされている。
だから、釣りに行く時はまだ夜も明けやらぬ暗いうちに家を出るのが常となる。

汲み置きしてカルキを抜いた水をメダカの水鉢に補給するのを日課にしているが、そのやり方を数日前に変えた。
それまでは陶器のボールでそれを行っていたが、流れ込む水の勢いで水は掻き回されて濁り、それが収まってみてもなかなか水の汚れが取れていないことに不満があった。

新しいやり方はブリキのじょうろに汲み置きした水を移して補給するというものだ。
これだと表面に浮いた汚れをオーバーフローする水と共に流し出し、メダカたちはこのシャワーを甚く歓ぶし、周囲もまるで打ち水でもしたように程良く濡れて、その様が何とも瑞々しく清々しい。

このシャワーを朝まずめと夕まずめの頃に行うことにしたのだ。
一頻りそのシャワーと戯れた後に食餌なのだから、メダカが悦ばないはずがない。

そして、これが人にとってみても、一日の始まりと終わりの切り替えと共に、減り張りにもなるから心身にいい。
朝まずめ,夕まずめは釣りを始めて知ったことばだった。
だが、今それらは暮らしの中で、生きたことばに変わった...。

# by finches | 2013-05-17 06:45 | 時間
984■■ 障子と夕日
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どこでもいい、急に古い建物を見たくなった。
西に行こうが北に行こうが東に行こうが、南以外そこには歴史の面影を残す城下町がある。
だが、その日は以前に外からの家の構えに興味を抱いた、ある作家の生家を訪ねたいと思った。

到着するや玄関先の椅子に座って途中で買い求めたお萩と粟もちを、少し高台にあるその生家から山々と小川と田んぼを見下ろしながらいただいた。
田植えの終わった田んぼは、百匹近い野生の猿に荒らされて去年は田植をしなかったという話を聞いた。

また去年の小川の蛍はすごかったそうで、まるでその上を歩けそうなくらいの乱舞が見られたという。
護岸工事がされる前の小川はさぞ美しかったろうと尋ねると、それはそれは美しかったそうで、そのかつての情景を聞きながら、筆者の記憶の中にある,ある小川の護岸工事前と後の姿と重ね合わせた。

一人になると座敷に座りそこからの景色を飽きることなく眺めた。
燕が入って来るからと言いながら開けてくれた障子は両側に引き分けられていたが、それが四本引きの障子であることに気付いた。
四本引きとは障子の溝が4本切ってあるもので、全開すると障子3枚分の開口が得られる。

その様をどうしても伝えたくて写真1枚という方針を今朝は曲げて、2枚の写真を掲載した。
引き分けた2/4の開口と、片側に引き寄せた3/4の開口の開放感の違いはこれ程ある。

冬、山に日が落ちる頃、夕日が二つの座敷の奥まで明るく照らすそうだ。
山に沈むその美しい夕日を、座敷の奥から思い描いた...。


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# by finches | 2013-05-14 06:33 | 空間